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「とあるベース弾きのひとり言」

【第 21話 】2023.5.24
  「クジラの歌の話」

 動物学者の田島木綿子さんの
新刊「クジラの歌を聴け」を読んでいますが陸や海の哺乳類の様々な求愛戦略や繁殖戦略が書いてあって大変面白いです。

 求愛行動で陸上の動物は視覚や嗅覚に訴える方法を採れますが、ザトウクジラの場合、エサ場がアラスカやベーリング海、繁殖地は沖縄やフィリピンと、その間5000キロメートルも離れていて、視覚や嗅覚の方法が採れず、かわりに彼らが採った戦略は聴覚でした。しかも流行のラブソングを歌い雌にアプローチするそうです。
 陸上での音速は約330m/秒に対して、水中での音速は4倍速く、より遠く、より早く伝えることが出来ます。そして歌声は3000キロメートル先まで響くとのこと、このソング、音の最小単位をユニットといい、このいくつかのかたまりがサブフレーズやフレーズとなり、ここからテーマが作られ、いくつかのテーマが集まってソングになるそうです。そしてソングは毎年変化し繁殖期の始めは前年と同じように歌っていた個体の中から誰かが新しい歌を奏でるようになり流行歌が生まれ、北半球では西から東の海域へ伝わっていくそうです。オスとメスがめでたく出会ってペアになると一緒に並んで泳いだり引っ付いたり、交尾後も、しばしデートをするそうです。また繫殖期のザトウクジラはのメスはモテモテで一夫多妻ならぬ「一妻多夫」で確実に子孫を残すために何頭ものオスと交尾し出産後は子育てに専念するそうです。またオスたちも寄り添って母子を守るそうです。
 
 さて、以前モンゴル人の先生に習っていた中国小数民族のフルス(瓢箪笛)も本来は若者が彼女に求愛で演奏する楽器でした。また楽器始めた動機がモテたくて、というのはよく聞く話です。求愛と歌は人に限らず関係有るのですね。

 という訳で、下記にクジラの歌のYoutubeリンク貼って置きます。
 
https://youtu.be/WabT1L-nN-E

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